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在庫のない電子書籍の経理について

    法人で小規模な出版社を営んでいます。
    今年度から、紙の本に加えて、電子書籍の出版を開始しました。
    これまでは実態のある紙の本だけでしたので、製造業のやり方で、印刷・製本・原稿料などを仕入高として計上し、そこから製造原価を出し、棚卸高との計算で売上原価を算出していました。
    電子書籍は実態としての在庫がないので、棚卸高はなくなります。
    電子書籍制作にかかったお金は紙の本の印刷代などと同じように仕入高で計上すべきでしょうか、それとも外注費などで製造原価とかかわらないように経費として計上していけばよいのでしょうか。

    難しい問題です。

    在庫がない分、電子書籍作成時に、原価や費用がでて、売上が遅れて計上されるということになるかと思います。

    電子書籍を作成すれば、原価や費用を多く計上できるため、利益調節をすることができ、課税上の問題が出てくると思われます。

    デジタルコンテンツの会計処理・税務処理には特に規範となるものはなさそうです。

    考え方としては、販売用ソフトウェアの会計処理が参考になるのかなと思います。

    いったん、従来通り原価計算をして、製造原価を算定して、商品計上する。

    商品計上した取得原価は、予想販売数や予想販売収益で按分して、実際の売上に応じて売上原価計上するという方法です。ただ、これも条件があって3年以内にすべて売上原価するということです。

    これが正しい方法かどうかは、何とも言えませんが、課税上問題になる可能性が否定できませんので、何かしら論拠をもっておいたほうがいいですね。

    • 回答日:2021/10/01
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    スタートアップ支援 Gemstone税理士法人

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    • 認定アドバイザー評価ランク5
    • 東京都

    税理士(登録番号: 3600), 公認会計士(登録番号: 16735)

    電子書籍の制作費用は、紙の本と異なり在庫が発生しないため、仕入高ではなく外注費や制作費として経費計上するのが一般的です。電子書籍の原稿料、デザイン費、編集費などは「外注費」「広告宣伝費」「支払手数料」などの勘定科目を用いると適切です。ただし、長期的に販売する場合は無形固定資産(ソフトウェア等)として資産計上し、償却する選択肢もあります。

    • 回答日:2025/02/15
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    電子書籍の出版における会計処理については、以下の2つの選択肢があります。

    ① 仕入高(製造原価)として計上する場合
    電子書籍の制作費用(原稿料、デザイン費、編集費など)を紙の本と同様に製造原価の一部として扱う方法です。

    処理方法
    電子書籍の制作にかかった費用(原稿料、編集費、デザイン費など)を「仕入高」または「製造原価」に計上
    販売時に「売上原価」として計上
    紙の書籍と違い、電子書籍は棚卸しが発生しないため、棚卸高の計算は不要
    この方法のメリット
    紙の本と同じ会計処理ができるため、一貫性がある
    どの作品がどのくらい利益を生んでいるかを管理しやすい
    この方法のデメリット
    電子書籍は一度制作すれば無制限に販売できるため、厳密には製造業の考え方(仕入高・製造原価)とは異なる
    製造原価として処理すると、費用計上のタイミングがずれる可能性がある
    ② 経費(販管費)として計上する場合
    電子書籍は、物理的な在庫を持たず、製造業のような仕入れ・売上原価の概念が薄いため、制作費用を**「外注費」「広告宣伝費」「販売促進費」などの経費(販管費)として計上**する方法もあります。

    処理方法
    電子書籍制作費(原稿料、編集費、デザイン費など)を「外注費」または「広告宣伝費」等で計上
    売上が発生しても売上原価は不要
    販売ごとに経費を按分する必要がない
    この方法のメリット
    シンプルな処理で管理が楽
    制作費が発生した年度に一括で経費計上できるため、キャッシュフローが分かりやすい
    電子書籍特有の「制作すればするほど売れ続ける」特性を反映しやすい
    この方法のデメリット
    販売管理費として計上するため、制作にかかった原価と売上の関係を明確にしづらい
    ③ どちらを選択すべきか?
    どちらの方法も会計的には適正とされますが、以下の点を考慮して選択するとよいでしょう。

    紙の本と同じ計算方法で管理したい → ① 仕入高(製造原価)として計上
    電子書籍の特性(制作費用はかかるが在庫なし)を重視したい → ② 経費(販管費)として計上
    一般的には、電子書籍は販管費として経費処理するケースが多いですが、貴社の管理しやすさや税務上の方針により、どちらの方法も選択可能です。

    ④ 具体的な仕訳例
    ① 仕入高(製造原価)として計上する場合
    制作時(電子書籍の原稿料や編集費を支払った場合)

    (借方)仕入高(製造原価)×××円 / (貸方)現金(または未払金)×××円
    販売時(売上原価を計上)

    (借方)売上原価 ×××円 / (貸方)仕入高 ×××円
    ② 経費(販管費)として計上する場合
    制作時(電子書籍の原稿料や編集費を支払った場合)

    (借方)外注費(または広告宣伝費)×××円 / (貸方)現金(または未払金)×××円
    販売時(売上計上のみ)

    (借方)現金(または売掛金)×××円 / (貸方)売上 ×××円
    ※売上原価の計上は不要

    ⑤ まとめ
    計上方法 特徴 メリット デメリット
    ① 製造原価(仕入高) 紙の本と同様の管理が可能 原価管理がしやすい 電子書籍の特性(在庫なし)と合わない
    ② 経費(販管費) 一般的な電子書籍の処理方法 販売ごとの経費按分が不要でシンプル 原価と売上の関係を明確にしづらい
    ⑥ おすすめの方法
    📌 今後、電子書籍の割合を増やしていく場合は「② 経費(販管費)として処理」する方法が合理的です。
    📌 紙の本と一緒に管理したい場合は「① 仕入高(製造原価)」として処理すると、一貫性が保てます。

    どちらの方法も税務上は認められるため、貴社の管理しやすい方法を選択するとよいでしょう。

    • 回答日:2025/02/14
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