開業前に仕入れた物の処理について
製造業の個人事業主として開業しました。
開業前に購入した材料・すでに製品に仕上がっていたものの仕分け方について教えていただきたいです。
①開業日の日付で「借方:仕入高」「貸方:事業主貸」で仕分けてよいか。
②もしくは「開始残高」の設定で、「棚卸資産」として登録するのか。
その場合、製品は売価ではなく原価で登録するのか。
③開業前の仕入れが複数ある場合、全ての合計額で登録してよいか、一つ一つ分けて登録したほうがよいか
④開業数年前に材料を購入し、今年度使用したものもあります。どの程度遡ってよいのか。また、領収書がない場合は登録しない方がよいか。
以上の点を教えて頂けましたら幸いです。よろしくお願い致します。
開業前に購入した材料や製品は、原則として開業日において「棚卸資産(在庫)」として計上します。以下に整理します。
①開業日に「借方:棚卸資産」「貸方:事業主借」で仕訳し、販売時に「仕入」へ振替処理します。開業日に「仕入高」で処理すると損益計算上不適切です。
②「開始残高」にて棚卸資産として登録可能です。製品は原価(仕入価格や製造原価)で登録してください。売価では課税所得を過大に計上する恐れがあります。
③複数ある場合、会計ソフトの仕様により合計額でも構いませんが、管理や証憑保存の観点から品目ごとに分けて登録する方が望ましいです。
④原則として必要経費と認められる限り数年前の購入でも計上可能ですが、領収書等の客観的証拠がない場合は税務上否認される可能性があるため、極力証憑を準備しましょう。証憑がない場合はメモや帳簿記録を残し、金額の根拠を説明できる状態にしておくのが無難です。
- 回答日:2025/07/31
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