前期法人税等の過大計上について
前期の決算時、法人税等を計上した際に翌期予定納付額を含めた金額で法人税等と未払法人税等を計上しています。当期は、法人税等の中間納付をして、未払法人税等がゼロになっています。当期に前期に含めてしまった予定納付額を修正した場合、当期に「未払法人税等/前期損益修正益」と仕訳をして、申告書の別表4で「前期法人税等過大計上」といった形で減算をすれば良いのでしょうか?
前期に翌期予定納付額を含めて法人税等を計上してしまった場合の修正方法を説明します。
■修正方法
修正方法は2つあります。どちらの方法でも税務上問題ありません。決算書の見せ方や事務負担を踏まえて選択してください。
【方法①】前期損益修正益で修正する方法
前期の誤りを「前期損益修正益」として修正し、当期の法人税等は実際の確定税額を計上します。
【仕訳】
(借)未払法人税等 ×××円 (貸)前期損益修正益 ×××円
【方法②】当期の法人税等で差額調整する方法
当期の法人税等で調整し、確定税額から過大計上額を差し引いた金額を計上します。
【仕訳】
(借)未払法人税等 ×××円 (貸)法人税、住民税及び事業税 ×××円
■税務申告書での処理
税務申告書では、別表4(所得の金額の計算)と別表5(2)(租税公課の納付状況)で調整が必要です。
方法①の場合
別表4:「納税充当金から支出した事業税等の金額」(13欄)に含めて減算(13欄は別表5(2)の35欄~38欄の合計額になります。)
別表5(2):納税充当金(未払法人税等)の取崩額の空欄(38欄)に「前期過大計上額」等と記載
方法②の場合
別表4:特別な調整は不要
別表5(2):中間納付分を「充当金取崩しによる納付」(3欄)に記載
■メリットデメリット
方法①:財務諸表が正確で分かりやすくなりますが、処理がやや複雑
方法②:処理は簡単ですが、当期の法人税等が通常と異なる金額になる
- 回答日:2025/07/11
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回答した税理士
税理士法人コンダクト・社会保険労務士法人コンダクト
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 146389), 公認会計士(登録番号: 37781), 社労士(登録番号: 13210277)
回答者についてくわしく知る前期に過大に計上していた法人税等を取り消すため、当期で次のように仕訳します。
借方:未払法人税等 ×××円
貸方:前期損益修正益 ×××円
※未払法人税等がすでにゼロになっている場合でも、仕訳上は「過去の誤りを取り消す」ためにこの仕訳を切ります。実際の納付とは関係ありません。
当期の法人税申告において、別表四で以下のように処理します。
項目名:「前期法人税等過大計上」
区分 :損益経理をしているもの
処理 :減算(△)
金額 :上記仕訳の金額と同額
- 回答日:2025/07/10
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ご回答ありがとうございます!
ちなみに「前期法人税等過大計上」は別表4の留保項目でしょうか?社外流出項目でしょうか?
度々申し訳ございません。
投稿日:2025/07/11