法人で米国株・米国ETFをドル建てで購入した際の経理処理について
長期保有を目的に、法人で米国株・米国ETFをドル建てで購入した際の経理処理について教えてください。
特に、為替レートは何を適用すればいいのか、手数料が買付レート・売却レートに含まれている場合は、手数料を分けずにそのレートを適用してもいいのか等を解説頂ければ幸いです。
以下のステップでの処理を想定しております。
1.円貨からドルを買付
2.株式購入(ドル建て)
3.追加で円貨からドルを買付
4.株式購入(1、3で買付したドル建て)
5.配当金受領(ドル建て)
6.決算時
社長のお悩み第1位「売上が上がらない」を「売上が上がる」に改善させる!クラウド会計専門三宅綜合会計事務所
- 認定アドバイザー
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税理士(登録番号: 120363), 公認会計士(登録番号: 16849)
追加です。
税務上は、TTMとか使うんですが、課税上弊害がないので、手数料を含んだ取引レートで問題ありませんという意味です。
- 回答日:2021/09/26
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早速のご回答ありがとうございました。
株式購入時や決算時のレートが、ドル買付レート(平均)と差異が出た場合は、それぞれの時点で為替差益・差損を計上するという理解でよろしいでしょうか?
投稿日:2021/09/27
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おっしゃる通りです。
長期目的の株式保有は、決算時は換算しなおしはしないです。
換算した差額は、資本化処理するので、所得計算には反映させません。これは、上場会社とかが処理する方法なので、税務上の規定では、発生時換算法となっています。ハを参照してみてください。
二 外貨建有価証券(償還、払戻しその他これらに準ずるものが外国通貨で行われる有価証券として財務省令で定めるものをいう。) 次に掲げる有価証券の区分に応じそれぞれ次に定める方法
イ 第61条の3第1項第1号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的有価証券 期末時換算法
ロ 第61条の3第1項第2号に規定する売買目的外有価証券(償還期限及び償還金額の定めのあるものに限る。) 発生時換算法又は期末時換算法
ハ イ及びロに掲げる有価証券以外の有価証券 発生時換算法
- 回答日:2021/09/27
- この回答が役にたった:2
ありがとうございました。
投稿日:2021/09/27
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いくらで買ったかを、円貨で計算します。レートはその時のものです。
- 回答日:2021/09/26
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法人で米国株・米国ETFをドル建てで購入する際の経理処理は以下の通りです。
円貨からドル買付:外貨預金として「外貨預金/普通預金」、適用為替レートは取引時のTTBレート(手数料込ならそのレート)。
株式購入:投資有価証券として「投資有価証券/外貨預金」、買付時の為替レートを適用。
追加ドル買付:1と同様の処理。
追加購入:2と同様。
配当金受領:ドルで受領後、外貨預金に計上。「外貨預金/配当金収入(営業外収益)」、決算時の適用レートは受領日TTM。
決算時:外貨預金や株式の評価は期末時点の為替レート(TTM)で換算し、為替差損益を計上。
- 回答日:2025/02/17
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■ 法人で米国株・米国ETFをドル建てで購入した際の経理処理
法人でドル建ての証券取引を行う際の会計処理 について、為替レートの適用方法や手数料の扱い などを含めて解説します。
① 為替レートの適用方法
外貨建て取引を円換算する際の為替レートは、企業会計基準第4号「外貨建取引等会計処理基準」 に基づいて適用します。
適用レートの種類
取引レート:実際の取引で適用されたレート(一般的に適用)
直近の公表レート:金融機関が公表する為替レート(適用可)
TTM(仲値):適用可能だが、実務では取引レートのほうが望ましい
手数料の扱い
買付時の為替レートに手数料が含まれている場合、手数料を分けずにそのレートを適用して問題ありません。
ただし、手数料が明確に区別できる場合は「支払手数料」や「売買手数料」として計上も可能。
② 各取引の経理処理
以下の流れに沿って仕訳を解説します。
1.円貨からドルを買付
【処理内容】
為替レート適用:実際の取引レート(手数料込みのレート適用可)
仕訳時の計算:円換算額 = ドル金額 × 適用レート
例:
10,000ドルを110円/ドルで購入(手数料込み)
110万円(10,000 × 110円)が法人の外貨預金として計上される
仕訳
(借方)外貨預金 1,100,000円
(貸方)普通預金 1,100,000円
2.株式購入(ドル建て)
【処理内容】
取引日 の為替レートで円換算
株式は「投資有価証券」として計上
例:
5,000ドルの米国株を購入(取引レート 111円/ドル)
取得価額 = 5,000 × 111円 = 555,000円
仕訳
(借方)投資有価証券 555,000円
(貸方)外貨預金 5,000ドル(555,000円)
3.追加で円貨からドルを買付
【処理内容】
手数料込みの取引レートを適用
例:
5,000ドルを112円/ドルで追加購入
取得価額 = 5,000 × 112円 = 560,000円
仕訳
(借方)外貨預金 560,000円
(貸方)普通預金 560,000円
4.株式購入(追加で買付したドルを使用)
【処理内容】
取引レート(112円/ドル)で円換算
例:
5,000ドルの米国株を購入(取引レート 112円/ドル)
取得価額 = 5,000 × 112円 = 560,000円
仕訳
(借方)投資有価証券 560,000円
(貸方)外貨預金 5,000ドル(560,000円)
5.配当金受領(ドル建て)
【処理内容】
受取時の為替レートで円換算
外国税額控除の対象になる場合もあり
例:
配当金 500ドル(受取レート 113円/ドル)
外国税10%(50ドル)控除後の受取額 450ドル
円換算額 = 450 × 113円 = 50,850円
仕訳
(借方)普通預金 50,850円
(借方)仮払税金 5,650円(50ドル × 113円)
(貸方)受取配当金 56,500円(500ドル × 113円)
6.決算時
【処理内容】
期末時点の為替レートで外貨建資産を評価(円換算)
時価評価しない場合は簿価のまま
期末時の評価替え仕訳(レート変動あり)
例: 決算時に外貨預金のレートが115円/ドルに変動
外貨預金残高 5,000ドル → 変動差額 15,000円増加
仕訳
(借方)為替差損益 15,000円
(貸方)外貨預金 15,000円
保有株式の時価評価
会計処理により「時価評価」または「取得価額のまま」での計上を選択可
③ まとめ
外貨取引は実際の取引レートを使用(手数料込みレートでも可)
米国株購入時は「投資有価証券」として計上
配当金は受取時の為替レートで円換算
決算時の外貨資産は「期末時点の為替レート」で評価
外国税額控除が適用できる場合は税務申告で考慮
この方法で適切な仕訳を行い、正しく経理処理を進めてください。
- 回答日:2025/02/11
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