「リサーチ業務」が支払調書の対象か否かと源泉徴収について
個人に委託した「リサーチ業務」は支払調書の対象になりますか?
年間の支払額は約150万以上です。
また、支払う際の消費税の扱いが分かりませんのでこちらもご教授ください。
取引の詳細
A社(インボイス登録業者)
当社(インボイス登録業者 + 簡易課税)
個人委託先(インボイス未登録個人 白色申告)
当社からA社ヘは、200万+税(10%)の請求を出しています。
個人への支払は、A社への請求額から15%を引いた額190万です。
内訳 : 10%(消費税支払分) + 5%(うち消費税分を除いた200万から)
※当社、簡易課税処理の為、消費税分10%分を徴収しています。
個人への支払の際、消費税の扱いはどうなりますでしょうか?
それに付随する、支払調書、源泉徴収表の作成方法などをご教授ください。
支払先の個人は、税処理についての知見がないため、
請求方法などは当社に任されている状態です。
個人に委託した「リサーチ業務」が支払調書の対象か否かや、源泉徴収および消費税の扱いについて以下のように解説します。
1. 「リサーチ業務」の支払調書の対象か否か
個人に支払う「リサーチ業務」の報酬は、税法上「報酬・料金」に該当し、支払調書の作成対象となります。
年間の支払額が5万円を超える場合、支払調書を作成し、翌年1月末までに税務署へ提出する必要があります。
支払調書には、支払額と源泉徴収額を記載します。
2. 源泉徴収の有無
「リサーチ業務」は、原則として源泉徴収の対象と思われます。
国税庁タックアンサーでは、研究費、取材費などの名目で支払われていても、その実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になるとされています。
源泉徴収額は以下の計算式に基づきます。
(支払額−消費税額)×10.21%(復興特別所得税含む)
消費税額を除いた金額が源泉徴収の対象になります。
したがって、消費税分は源泉徴収しません。
3. 消費税の扱い
あなたの会社(簡易課税制度適用、インボイス登録事業者)から個人(インボイス未登録者)への支払いの場合、個人はインボイスを発行できないため、厳密には消費税は支払われません。
インボイス未登録者への支払いには消費税相当額を含めないのが基本です。
ただし、契約上「税込み」での支払いを合意している場合は、消費税相当額を含んだ金額を支払うことができます。
質問者様のケースでは、個人への支払金額(190万円)は税込みで支払っていると仮定されます。その場合、消費税部分(10%)を差し引かず、そのまま支払い額と扱います。
4. 支払調書と源泉徴収表の作成方法
1. 支払調書
個人への支払金額(190万円)から消費税相当額を除いた額を「報酬額」として記載します。
源泉徴収額は上記の計算式で算出し、「源泉徴収税額」として記載します。
記載例
支払金額(税抜): 1,727,273円
源泉徴収税額: 176,220円
2. 源泉徴収票
支払調書とは別に、個人に源泉徴収票を発行し、源泉徴収税額を通知します。
これにより、個人が確定申告時に還付や納付の手続きが可能になります。
5. 請求方法のアドバイス
インボイス未登録個人であることを考慮し、以下を明確にする必要があります。
「税込み」か「税抜き」かを契約上明記。
消費税の扱い(インボイス未登録者に消費税相当額は支払うが控除不可である旨)。
源泉徴収税額を事前に通知し、支払明細に明記する。
- 回答日:2024/12/03
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