現空が多い物件におけるサブリース法人の賃料設定について
質問です。
空室率4割程度の一棟マンションを購入予定です。(現状でも利回りが出ていますがもちろん購入後に空室対策予定)
一方で、個人にしか融資が出ない金融機関で融資を受ける為、資産管理法人ではなく個人での購入となります。
資産管理法人について設立まもない為、節税目的ではなく、事業実績づくりとして(もちろん管理はしっかり行いますが)サブリース転貸という形で、現所有者から賃貸借契約を引き継ごうかと考えておりますが、その際の所有者(代表個人)とのサブリース賃料について、
①一般的に満室賃料の10〜20%程度の手数料を引いた金額とすると思いますが、現時点で空室率が上回り赤字になるため、現況の空室率を考慮するような賃料設定は問題ないか?
②その際、今後空室対策により満室に近い状態になった際、手数料が20%を上回ってくることになるが(当初空室率を踏まえてリスクを負っているので)そのままでも税制面で問題ないか?(①の継続が成り立つのか、一般的な手数料を超えた時点で再契約等が必要になるのか)
③空室率考慮の賃料設定が難しい場合、サブリースでありながら、空室リスクを同社が負わず、実際の賃料から10〜20%を手数料として差し引いてオーナに支払う、動的なサブリース賃料設定というのが可能なのかどうか?
についてご教示いただけませんでしょうか。よろしくお願いします。
オーナー個人とサブリース法人の間の賃料設定は、「適正な取引」と認められる合理的根拠が必要です。特に、オーナーと法人が実質的に同一人物の場合、税務署は厳しくチェックします。
1. 現況の空室率を考慮した賃料設定は問題ないか?
問題ありません。 サブリース法人が空室リスクを負う以上、そのリスクに見合った賃料設定は合理的です。
* ポイント: 空室率や法人が負うリスク(空室対策費用、管理業務など)を考慮し、合理的な賃料設定であることを契約書等で明確にし、説明できるようにしてください。
2. 今後、満室になり手数料が20%を上回っても問題ないか?
当初の契約内容次第ですが、税務リスクが生じる可能性があります。
* 合理的な理由があれば継続も可能: 最初から満室時の利益を多く取るようなリスクプレミアムが契約に織り込まれていれば、その旨を明確にしておきましょう。
* 税務リスク: 一般的な手数料を大幅に超える状態が続くと、税務署から**「不当な利益移転」**とみなされ、寄付金認定や役員賞与認定されるリスクがあります。
* 対策: 空室率が改善し、収益が安定したら、オーナーへの賃料増額(法人の取り分減)を検討するか、定期的な賃料見直しの条項を契約に含めることをお勧めします。
3. 空室リスクを負わず、実質管理手数料のような動的な設定は可能か?
それは「サブリース」ではなく、「管理委託契約」になります。
* サブリース: 法人が空室リスクを負い、オーナーに固定賃料を支払う契約です。
* 管理委託: 法人が集金・管理業務を行い、実入居分の手数料を差し引いてオーナーに支払う契約です。この場合、法人は「転貸人」にはならず、事業実績としての意味合いが変わります。
まとめ
サブリース法人の事業実績づくりは重要ですが、税務上は賃料設定の合理性と、サブリース法人の事業実態(空室対策、管理業務など)を明確に説明できることが非常に重要です。
- 回答日:2025/06/26
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回答した税理士
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