少額減価償却資産特例を活用した自作PCの可否
税金とPCに詳しい方にお聞きしたいです。
職業はフリーランスエンジニア(個人事業主)とします。
概ねタイトル通りなのですが、1パーツあたりの購入額を10万円~30万円以内(税込)に収め、結果として組み上げた後の総額が30万円を大きく超えるようなPCとなった場合でも少額減価償却資産特例が適用できる、ということでしょうか?
まず、本件はグレーゾーンだと思います。
税務調査においても調査官によって異なる指摘があるかもしれません。
また税理士によっても異なる見解・法解釈はあり得ると思います。
取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。
↓
その制度の趣旨からすれば、少額減価償却資産に該当するかどうかは、1 品ごとの通常の取引価額により判定すれば足りると考えます。
であるならば、
グラフィックボード、マザーボード、電源ユニット、サウンドデバイス、OS、CPU、メモリー、冷却パーツ、HDD、光学ドライブ、ケーブル、セキュリティソフト、キーボード、マウス等は、単独で取引単位となるものであり、PCは全体として部品を一体的に用いられているといっても、常に一体として一つの償却資産と扱うことは必ずしも合理的とはいえず、一つ一つを器具備品として取り扱うっても差し支えないとも考えられそうです。
↓
一方で、見解の相違になることは十分考えられます。
税務リスクゼロを目指すならば、全て一括資産計上すべきです。
例え見解の相違により税務署から指摘されても、費用処理部分を増やしたいということであれば、例えば、グラフィックボード、マザーボード、電源ユニット、サウンドデバイス、OS、CPU、メモリー等だけでも1単位として経理処理するという保守的な対応も考えられると思います。
(参考)
(1)少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定
7-1-11 令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》又は令第133条の2《一括償却資産の損金算入》の規定を適用する場合において、取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは、通常1単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については1台又は1基ごとに、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定し、構築物のうち例えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごとに判定する。(昭45年直審(法)58「2」、昭49年直法2-71「7」、平元年直法2-7「二」、平10年課法2-7「六」により改正)
(2)税大ジャーナル6、2007.11「法人税法上の減価償却資産単位の判断における「機能」」P18 防犯用ビデオカメラの少額減価償却資産該当性をご参照ください。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/backnumber/journal/06/pdf/01.pdf
- 回答日:2022/11/07
- この回答が役にたった:2
ご回答いただきありがとうございます。
具体的な資料とともに提示していただき、とてもわかり易かったです。もうひとりの方にも同じような質問をしたのですが、
・既存の所有PCに足していく形となり購入時期にばらつきが生じた
・上の理由で総額30万を超えたが、一式組むには足りない状態となった
・確定申告前に一式では使えない程度の購入→申告後に残りのパーツ購入となった場合ではどういった考え方となるのでしょうか?
投稿日:2022/11/07
- この回答が役にたった