公務員が大会長を務める学術大会の事務局や口座について
相談内容 一般社団法人の本店登記場所に、行政財産(行政施設)を指定することは問題ないですか。恒常的なものであっても、一時的なイベントの本部所在地としても(これは登記ではないですが)。学術団体の学会で大会本部を公立施設に置いててしまってよいかどうか迷われます。またかかる学術大会の大会長が公務員です。学術大会の銀行口座が大会長である公務員の個人口座です。さまざまな懸念事項がありそうです。なお、学術大会は任意団体扱いです。
1. 一般社団法人の本店所在地と行政財産について
懸念事項:
* 行政財産の使用制限: 行政財産は、その設置目的以外での使用が制限されているのが原則です。一般社団法人の本店所在地として恒常的に使用することは、行政財産の使用目的外使用に該当する可能性が非常に高いです。これは、地方自治法や各自治体の財産に関する条例に抵触する恐れがあります。
* 公平性の問題: 特定の民間団体が行政財産を本店所在地として使用することは、他の団体との公平性を欠くとして、批判の対象となる可能性があります。
* 一時的な本部所在地としての利用: 一時的なイベントの本部所在地としてであっても、公的な施設を特定の団体が排他的に使用するような形態は、その適正性が問われる可能性があります。
対応策:
* 行政財産以外の所在地を設定する: 一般社団法人の本店所在地は、行政財産以外の場所(例:代表者の自宅、賃貸オフィスなど)で登記することを強く推奨します。
* 施設使用のルール確認: イベント会場として行政施設を利用する際は、各施設の利用規約や条例を厳守し、あくまで一時的な使用にとどめるべきです。
2. 公務員である大会長の個人口座を学術大会の口座とすることについて
懸念事項:
* 公私混同の疑義: 公務員である大会長の個人口座を団体の運営口座とすることは、公私混同との批判を招きかねません。
* 資金管理の不透明性: 個人の口座であるため、団体の収入と支出が個人の資金と混ざり合い、資金の流れが不透明になります。これは、後々の会計処理や監査の際に大きな問題となります。
* 税務上の問題: 任意団体であっても、事業活動を行って収益がある場合、課税対象となる可能性があります。個人口座では、団体の収益と個人の所得の区別が困難になり、税務調査の際に指摘を受けるリスクが高まります。
* 公務員倫理規定への抵触: 公務員は、その職務に関連して個人的な利益を得ることが禁止されています。団体の資金を個人口座で管理することは、公務員倫理規定に抵触する可能性があります。
* 代表者変更時の問題: 大会長が交代した場合、口座名義の変更や引き継ぎが煩雑になり、スムーズな運営に支障をきたします。
対応策:
* 任意団体名義の銀行口座を開設する: 任意団体であっても、団体名義での銀行口座開設は可能です。銀行によっては、代表者個人の連帯保証を求めるケースもありますが、団体名義の口座を開設することを強く推奨します。
* 会計責任者の明確化: 団体の資金管理については、会計責任者を明確に定め、その者が責任を持って管理する体制を構築すべきです。
* 会計帳簿の作成: 任意団体であっても、収入と支出を記録した会計帳簿をきちんと作成し、資金の流れを透明化することが重要です。
- 回答日:2025/07/02
- この回答が役にたった:4
銀行口座開設銀行(地方銀行)に問い合わせました。現在開設済みの学術大会口座は名義上は団体名が屋号のごとく付加されていますが「個人口座である」と電話回答されました。同行他支店窓口で同様の質問をしますと、任意団体口座でありこれは「法人口座」に分類されると回答されました。銀行外部の別の場所で相談しましたら、任意口座を法人口座の一種とするのは当該地方銀行内部の手続き上の問題に過ぎず、税務当局は個人口座として扱うとのことでした。数百万の現金収受が当該口座で行われる予定です。これが口座名義人の収入と認定されてしまうリスクはたまりません(公務員です)。また母体の法人はNPOであり公益性があるのですが、学術大会=任意団体となると本部法人の公益性の埒外になると思われますので、大会参加料を含めた無税措置など税務上の減免措置対象外ではないかと思います。本部の認識が甘いのか、法的根拠と併せて知りたく思います。
投稿日:2025/07/03
返信内容:銀行口座開設銀行(地方銀行)に問い合わせました。現在学術大会口座は名義上は団体名が屋号のごとく付加されていますが「個人口座である」と電話回答されました。同行他支店窓口で同様の質問をしますと、任意団体口座でありこれは「法人口座」に分類されると回答されました。銀行外部の別の場所で相談しましたら、任意口座を法人口座の一種とするのは当該地方銀行内部の手続き上の問題に過ぎず、税務当局は個人口座として扱うとのことでした。数百万の現金収受が当該口座で行われる予定です。これが口座名義人の収入と認定されるリスクを感じます(公務員です)。また母体法人はNPOであり公益性がありますが、学術大会=任意団体となると本部法人の公益性の埒外になると思われ、大会参加料を含めた無税措置など税務上の減免措置対象外ではないかと思います。
投稿日:2025/07/03
回答した税理士
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- 認定アドバイザー
- 愛知県
税理士(登録番号: 100068), 社労士(登録番号: 13210457), 行政書士(登録番号: 16192456), 中小企業診断士(登録番号: 414204), その他
回答者についてくわしく知る1. 銀行口座の税務上の位置づけと公務員の所得認定リスク
現在ご利用の学術大会の口座は、銀行内部の分類がどうであれ、名義が個人名(+団体名)である限り、税務上は口座名義人である公務員の方の「個人口座」と判断されます。この口座に数百万の現金収受がある場合、その全額が公務員の方個人の「所得」として認定されるリスクが極めて高いです。これにより、本来団体に帰属すべき収入に対して、多額の所得税や住民税が個人に課税されることになります。 また、これは公務員の職務倫理上の問題にも直結し、場合によっては懲戒処分の対象となる可能性も否定できません。
2. 任意団体とNPO法人の税務上の取り扱い
任意団体: 法人格がないため、NPO法人のような税制優遇措置は原則として適用されません。事業活動から生じる収益は、個人の所得として課税されるか、または法人税法上の「収益事業」とみなされ、別途法人税が課される可能性があります。大会参加料も原則として課税対象となります。NPO法人: 特定非営利活動促進法に基づき設立された法人であり、その公益性に応じた税制優遇(収益事業以外の非課税など)が適用される可能性があります。現状の「学術大会=任意団体」というスキームでは、母体であるNPO法人の公益性や税制優遇は、学術大会の活動には直接及びません。本部NPO法人の認識は、法的根拠に基づくと甘いと言わざるを得ません。
学術大会専用の銀行口座の開設:
「任意団体名義」での口座開設をしてください。これにより、個人の所得と認定されるリスクを大幅に低減できます。銀行での手続きには、団体の規約や代表者選任の書類などが必要になります。もし、学術大会をNPO法人の事業として明確に位置づけられるのであれば、NPO法人名義の口座を使用すべきです。
会計処理の透明化:
任意団体であっても、収入・支出を記録した会計帳簿を必ず作成し、領収書等の証拠書類を全て保管してください。これらの対応を怠ると、税務調査時に多額の追徴課税が発生する可能性が高く、公務員である大会長にとっても深刻な問題となります。
- 回答日:2025/07/03
- この回答が役にたった:2
この事案の複雑化要因ですが、複数学会(NPOと一社です)の共催型の学会とその大会事務局の設置場所についてです。
大会長はNPOの幹部(地方公務員)が務めることになりました。同時に共催一社学会の理事もあります。大会長は勤務先行政施設に大会事務局を施設代表電話を公表して設置しました。さらに参加費と企業協賛金の振込銀行を勤務先至近の地方銀行に個人口座で開設しました。NPO内規では厳格な管理指針が示されていません。斯様なスキームでの学術大会は他の学会でも散見されています。これは税務当局での黙認事項だと考えてよいでしょうか。この時点でなんらか違反を犯していますか。投稿日:2025/07/03
回答した税理士
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回答者についてくわしく知る弁護士や税理士、公認会計士などの専門家への相談: 具体的な状況を説明し、法的・税務上のリスクを評価してもらう必要があります。
* 資金管理方法の是正: 個人の口座で管理している資金を、NPO法人または共催学会の法人名義の口座に移管し、適切な会計処理を行うべきです。
* NPO法人内部規程の見直し: 資金管理に関する明確な規程を整備し、ガバナンス体制を強化すべきです。
* 大会事務局のあり方の見直し: 公務員の職務と混同されないよう、事務局の設置場所や連絡先について再検討する必要があります。
- 回答日:2025/07/03
- この回答が役にたった:0
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