譲渡所得の計算方法でわからない部分を教えて下さい。
先日、相続した不動産を売却しました。譲渡所得の計算ですが、売買契約書の内訳は土地800万円、建物300万円とされており、計算に必要な取得費は建物は過去の契約書でわかるのですが、土地の購入価格は不明です。この場合、トータル売却価格から減価償却した建物の価格を引いたものを土地の価格とする事は出来ないのでしょうか。
譲渡所得そのもの計算に関しましては、ご質問者様のご理解の通りとなります。
譲渡所得=売却価額ー減価償却後の建物簿価ー土地ー売却手数料等
その中で、土地については、ご質問者様のような相続の結果、いつ、いくらで取得したのかわからないケースがございます。
その場合には下記のように算定することが認められております。
以下、国税庁タックスアンサーより
「売った土地建物が先祖伝来のものであるとか、買い入れた時期が古いなど、取得費が分からない場合には、売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます。
また、実際の取得費が売った金額の5パーセント相当額を下回る場合も、売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます。
例えば、土地建物を3,000万円で売った場合に取得費が不明のときは、売った金額の5パーセント相当額である150万円を取得費とすることができます。」
ご質問者様のケースを上記に当てはめますと、土地の売却価額が800万円と明記されておりますので、その5%として40万円を取得価額とすることができます。
一方で、この方法で算定された所得に関しては、所得額が大きく計算される可能性が高く、ご質問者様が多く納税しなければならなくケースがあります。
そのため、市街地価格指数というものを使って算定する方法があり、こちらの計算方法のほうが土地の取得価額が大きく算定される可能性があり、その場合には税金が少なく算定されます。
詳細は「市街地価格指数 算定方法」等で検索いただけますと幸いです。
<参考リンク:国税庁>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
- 回答日:2023/10/28
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丁寧に教えてくださり有難うございます。疑問が、売却時トータル1100万円のうち、減価償却後の建物部分が400万円になったので、土地は残りの700万円に換算出来るのでは、と素人判断ですが、税務署ではあくまでも契約書類の土地価格を用いた計算だと言われました。
建物部分の価格が契約書類より高くなり、その分土地の価格が低くなるかと思ったのですが…。投稿日:2023/10/28
更なるご回答に感謝します。
やはり土地の部分は建物価格が400万円に換算されても差し引き700万円とはならず契約書類の内容の800万円での計算になるのですね。土地の取得は昭和35年1月でして、かなりの低価格と言われてますが、駅から近い事もあり出来れば実際の価格に近い数値を知りたいと思ってました。当時の路線価までは調べられましたがそれは当てにならないと言われ…。相続税財産評価基準書では宅地の倍数だけはわかったのですが、素人の私には計算できませんでした。市街地価格指数も調べてみます。有難うございました。投稿日:2023/10/29
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ご確認いただきありがとうございます。
契約書上は建物300万円、土地800万円であり、取得価額としては減価償却後の建物400万円、土地は不明ということでよろしかったでしょうか。
この場合は、税務署からの回答の通りとなります。建物と土地を分けて考える必要があり、下記の通りとなります。
①建物分
収入金額300万円-取得費用400万円
②土地分
収入金額800万円-40万円(5%)ないし市街地価格指数を用いて計算した金額
によって計算されることとなります。
なお、譲渡所得内で損益通算ができますので、土地の取得価額にもよりますが、建物の売却が赤字になっていそうですので、その損失を土地の売却利益と相殺することは可能かと存じます。
- 回答日:2023/10/28
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