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業務委託の報酬が給与所得として扱われている場合の確定申告について

    【状況】
    フリーランスとして、とある法人と業務委託契約を結んでお仕事をしている案件があるのですが、毎月の報酬支払時に源泉徴収されています。
    契約書の内容は間違いなく「業務委託契約」なのですが、毎月源泉徴収されている金額が10.21%ではなく、3.063%となっています。
    また、この度支払調書ではなく、「給与所得の源泉徴収票」も届きました。

    【質問】
    ①業務委託契約なのに、「給与」として報酬が支払われるのはなぜでしょうか
    ②この場合確定申告時は、この給与所得の源泉徴収票が届いた分の報酬については、事業所得ではなく、給与所得として申告する必要があるでしょうか?

    丁寧・安心・誠実がモットー、池袋から25分、埼玉県ふじみ野市の”ふじみよし会計事務所”が、心をこめてご回答いたします。

    ① 業務委託契約なのに、「給与」として報酬が支払われるのはなぜか?
    本来、業務委託契約による報酬は「給与」ではなく、「事業所得」または「雑所得」として扱われ、報酬から源泉徴収される場合は10.21%(通常は100万円以下の報酬に適用) となります。

    しかし、今回のケースでは
    ✅ 源泉徴収率が3.063%(給与所得の税率)
    ✅ 支払調書ではなく、給与所得の源泉徴収票が発行
    という点から、法人側が「給与所得」として処理している可能性が高い です。

    これは以下のいずれかの理由によると考えられます。

    ①-1. 会社側が業務委託契約にもかかわらず「給与扱い」にしてしまった
    一部の法人では、業務委託契約でも従業員に近い働き方をしていると判断し、給与として処理してしまうケース があります。
    例えば、勤務時間の拘束、仕事の指示の明確な指定、会社の設備利用 などがある場合、企業が「給与として処理すべき」と判断することがあります。
    ただし、これは会社側の誤った処理である可能性が高いです。
    ①-2. 会社側が「雇用契約」とみなして処理している可能性がある
    業務委託契約書を交わしていたとしても、実態として「労働者性」が強い場合、企業が給与所得として処理することがあります。
    労働基準法上の「労働者」と判断される要素が強い(勤務時間の管理、指揮命令系統があるなど)と、会社がリスク回避のために給与処理をしている可能性も考えられます。
    ② 確定申告時、この報酬は「事業所得」ではなく「給与所得」として申告すべきか?
    今回、「給与所得の源泉徴収票」が届いたということは、法人側が税務上給与として処理してしまったことを示しています。
    この場合、確定申告時に事業所得として申告するのではなく、給与所得として申告するのが原則 となります。

    ✅ 給与所得として確定申告するべき理由

    給与所得の源泉徴収票が発行されているため、税務署には給与として報告されている
    会社が給与として処理している以上、事業所得として申告すると「二重計上」のリスクがある
    事業所得として申告した場合、税務調査で「給与所得の申告漏れ」と指摘される可能性がある
    ✅ 給与所得として申告するデメリット

    給与所得控除が適用されるが、事業経費を差し引けない(業務委託の場合、通常は経費を計上できるが、給与所得扱いではできない)
    青色申告のメリットが活かせない(事業所得なら青色申告特別控除が受けられる)
    ③ 今後の対応策(会社に修正を依頼すべきか?)
    会社側が「給与」として誤って処理している可能性があるため、
    ✅ 法人側に確認し、訂正(事業所得扱い)を依頼できるか相談する
    ✅ 給与所得ではなく、事業所得として報酬を受け取れるよう、会社に確認する

    特に、今後も同じ形で報酬を受け取る場合は、会社側に「源泉徴収票ではなく支払調書の発行」を求め、10.21%の源泉徴収に変更してもらうよう依頼 することをおすすめします。

    ④ まとめ
    ✅ 会社側が「給与所得」として処理しているため、確定申告では「給与所得」として申告するのが基本
    ✅ 給与所得として申告すると、経費を差し引けず、青色申告特別控除も使えないため、税負担が増える可能性あり
    ✅ 今後のためにも、法人側に「業務委託契約なのに給与所得として処理されている理由」を確認し、事業所得扱いに訂正できるか相談するのが望ましい

    このまま給与所得として申告することは可能ですが、今後も業務委託を続けるのであれば、法人側の処理を正しく修正してもらうのがベストな対応 です。

    • 回答日:2025/01/29
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    スタートアップ支援 Gemstone税理士法人

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    • 東京都

    税理士(登録番号: 3600), 公認会計士(登録番号: 16735)

    ① 業務委託契約なのに給与として扱われる理由
    契約上は業務委託でも、法人側が雇用関係に近いと判断し、給与として処理している可能性があります。例えば、勤務時間や業務指示が厳密に管理されている場合、法人が「給与所得」として扱うことがあります。

    ② 確定申告時の扱い
    届いた「給与所得の源泉徴収票」に基づき、給与所得として申告する必要があります。事業所得として申告すると、法人の処理と食い違い、税務署から指摘を受ける可能性があります。経費計上の制限があるため注意が必要です。法人側に誤りの可能性を確認し、必要なら訂正を求めるのも一案です。

    • 回答日:2025/02/19
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    山本尚子税理士事務所

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    • 千葉県

    税理士(登録番号: 138721)

    支払元があなたの業務委託契約を実態は雇用関係と判断している可能性が高いと考えられます。
    質問主様が雇用関係ではなく、真に独立したフリーランスとして業務を行っているという認識であれば、支払元に問い合わせ、 なぜ給与所得として処理されているのか、その理由を確認する必要があります。
    そして、契約書の内容が、実際の業務実態と合致しているか確認し、必要があれば修正も必要かもしれません。
    結果、源泉徴収票であれば給与で申告する、という事になります。

    • 回答日:2025/01/25
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