米国法人との業務委託契約(役務の提供):源泉徴収義務及び消費税の有無について
当方は副業で個人事業主として通訳・翻訳に関連するサービスを提供しております。この度、日本国内に法人または事業所を持たない米国法人(非居住者)と2ヶ月程度の単発の業務依頼を受け、先日無事に完遂いたしました。業務内容としては、米国法人の代表者が来日した際の通訳、エスコート、訪問先との諸調整。また、来日前の準備・調整として、翻訳、ホテル等の予約、各種調査、各訪問先とのやり取りなどがありました。
質問①このケースの場合、メインとなる役務が国内での通訳、エスコート等のため、消費税の課税対象と推察いたしますが、依頼主が来日せず、準備段階(翻訳、調査業務、各種窓口との調整等)のみの場合は消費税は免除になるのでしょうか?それとも、事業者(当方)が日本国内にて諸業務を行なっているため、課税対象になるのでしょうか?
質問②依頼者が非居住者のため、請求書に源泉徴収額の記載はしませんでした。当方が確定申告の際に申告すれば良いと判断したのですが、これで正しかったのでしょうか?
質問③契約書及び請求書には、中継銀行を含む送金手数料は依頼主負担でお願いしますとの記載をしましたが、請求額から15ドル引かれた金額が送金されました。中継銀行の手数料が引かれたものと考えますが、この場合、請求者の金額と口座に振り込まれた金額に差異が生じます。この15ドルは、経費として計上しても問題ないでしょうか?それとも、入金された金額を申告すればよいのてましょうか?
長文で申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
質問①
非居住者に対する役務提供の対価は基本的には輸出免税取引に該当しますが、その役務提供が以下のようなもの(役務提供の便益の享受つまり消費が国内で完結する性質をもつもの)については業務が国内で提供されるものとして課税取引とされています。
(1)国内に所在する資産の運送や保管
(2)国内における宿泊や飲食
(3)(1)および(2)に準ずるもので国内において直接便益を受けるもの
この点、「日本の居住者である当方が、米国にある米国企業に翻訳やリサーチのサービスを提供した場合」は基本的には輸出免税になるかと思います。
対して、本件のご質問内容からご質問者様の役務提供はいわゆるランドオペレーター(旅行手配業)に類似した業務(非居住者に対して日本旅行/出張の企画手配業務)であると理解しておりますが、その前提でいえば、ご質問様が非居住者に対して「日本国内における飲食、宿泊、運送等の組合せを企画し各種サービスを手配することでが非居住者がそのサービスを利用できるようにする」という役務を提供しているものと思われますので課税取引に該当するように見受けられます。
あくまで個別案件ごとの実態判断になりますので、正確な取扱いについては税務署などに問い合わせされた方が良いかと思います(若しくは有償で税理士に相談する)。
質問②
考え方はご理解の通りです。正確に言えば日本に拠点を持たない非居住者は日本で源泉徴収義務者にならないため源泉徴収の必要がないということになります。
- 回答日:2022/08/26
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この度も早急にかつ丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。理解がとても深まりました!
投稿日:2022/08/27
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質問①:業務が日本国内で提供されているため課税対象になります。
質問②:非居住者源泉徴収は非居住者に対して支払いをする場合の論点ですので、本件では不要です。
質問③:手数料引き前の金額を売上計上し、手数料を経費計上します。
- 回答日:2022/08/25
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早々にご回答いただき、ありがとうございます。
質問①及び②のご回答に関して再度確認させてください。
質問①非居住者(米国企業)に対する役務の提供で、国内において直接便益を受けないものに関しても課税対象になるのでしょうか?例えば、日本の居住者である当方が、米国にある米国企業に翻訳やリサーチのサービスを提供した場合など。
質問②役務を提供する側は日本の居住者、役務を受ける側は米国に拠点を置く米国法人(非居住者)。この場合、役務を提供する側が受ける側に対して請求書を発行する際、源泉徴収額を記載しなくても良いという認識でよろしいでしょうか?当該米国法人が日本に法人も事務所も設立していないため、税務署に申告・納税するのが困難と考えるため。
何度も恐れ入りますが、よろしくお願いします。
投稿日:2022/08/25
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