会社分割での減価償却資産
- 投稿日:2025/06/29
- 相続・事業承継・M&A
- 回答数:2件
「適格分割等による期中損金経理額等の損金算入に関する届出書」を提出せず、適格分割型分割により減価償却資産が承継会社へ移転する場合について教えてください。
分割会社(A)が7月決算法人、承継会社(B)が12月決算法人とした場合、Bの12月決算での減価償却費の計算は下記の通りでしょうか?
取得日:Aが移転資産を取得した日
取得価額:Aの7月決算時の期末簿価
耐用年数:Aと同じ(又は中古資産の耐用年数)
償却方法:Aと同じ
ご教示のほど宜しくお願い致します。
■結論
承継会社(B社)の減価償却費計算は以下の通りです
①取得日 :分割会社(A社)が移転資産を取得した日
②取得価額:分割会社(A社)の7月決算時の期末簿価
③耐用年数:3つの選択肢から選択可能
④償却方法:承継会社(B社)が選択している償却方法
■詳細説明
①取得価額について
届出書を提出していないため、分割会社(A社)は8月1日から分割日までの減価償却が税務上認められません。そのため、分割会社(A社)の期中の減価償却は考慮せず、直前期末簿価(7月決算時の期末簿価)をそのまま承継することになります。
②耐用年数の選択肢
以下3つから選択できます
a:法定耐用年数
b:分割会社(A社)で使用していた耐用年数
c:中古資産を考慮した耐用年数
※平成15年度税制改正で、適格分割も「取得」に含まれるようになったため、中古資産として耐用年数を見積もることが認められています。
③償却方法について
承継会社(B社)が選択している償却方法で計算します。分割会社(A社)と承継会社(B社)の償却方法が異なる場合は、承継会社(B社)の方法が優先されます。ただし、取得日は分割会社(A社)を引き継ぐため、旧償却方法と新償却方法の適用判定は、分割会社(A社)の取得日が基準となります。
- 回答日:2025/07/06
- この回答が役にたった:4
回答した税理士
税理士法人コンダクト・社会保険労務士法人コンダクト
- 認定アドバイザー
- 東京都
税理士(登録番号: 146389), 公認会計士(登録番号: 37781), 社労士(登録番号: 13210277)
回答者についてくわしく知る「適格分割等による期中損金経理額等の損金算入に関する届出書」を提出しない場合でも、適格分割型分割であれば、原則として税務上の簿価引継ぎが行われます。
ご提示の各項目について、以下のようになります。
* 取得日:分割会社(A)が移転資産を取得した日
* 正しいです。 税務上は、分割会社が最初に取得した日が引き継がれます。
* 取得価額:分割会社(A)の7月決算時の期末簿価
* 正しいです。 適格分割では、原則として分割会社における帳簿価額が承継会社に引き継がれます。
* 耐用年数:分割会社(A)と同じ(又は中古資産の耐用年数)
* 正しいです。 分割会社が使用していた耐用年数を引き継ぎ、残存耐用年数で償却することになります。ただし、中古資産の耐用年数の適用を受けていた場合は、その耐用年数を引き継ぎます。
* 償却方法:分割会社(A)と同じ
* 正しいです。 分割会社が採用していた償却方法(定額法、定率法など)を承継会社も引き継ぎます。
承継会社(B)の12月決算における減価償却費の計算は、上記を前提として、B社の事業年度において使用した期間に応じて月割りで計算することになります。
ご認識の通りで問題ございません。
- 回答日:2025/06/29
- この回答が役にたった:2
詳しく解説していただき、有り難うございます。
投稿日:2025/06/30
回答した税理士
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- 認定アドバイザー
- 愛知県
税理士(登録番号: 100068), 社労士(登録番号: 13210457), 行政書士(登録番号: 16192456), 中小企業診断士(登録番号: 414204), その他
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