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売れ残り品の決算処理について

小売り業です。まもなく決算でいろいろ見直しているところです。
売れ残り品についてです。
棚卸しの際、仕入れ原価より安く販売している商品の評価は、仕入れ原価のままでいいのでしょうか。それとも在庫を減らす為にも廃棄処分をし、特別損失を起こすべきでしょうか。
ご助言お願いいたします。

棚卸資産の評価について、原則としては「(最終仕入原価法による)原価法」という方法により取得原価で評価することとなります。
よって、基本的には仕入原価のままで評価することとなります。
(低価法という方法を適用する場合には、取得原価(原価法による評価額)と期末時価のうち、いずれか低い額を棚卸資産の評価額とすることが出来ますが、その場合は税務署へ届出を行う必要がございます。)

なお、例外として以下の3パターンに該当する場合には、棚卸資産の評価損が税務上で認められ、損金算入ができることとなります。
 (1)棚卸資産が著しく陳腐化した場合
 (2)棚卸資産が災害で著しく損傷した場合
 (3)棚卸資産に破損・品質変化などが起きた場合

単なる物価変動や過剰生産による場合の評価損は、税務上損金に認められない場合がありますのでご注意いただく必要があります。
以下国税庁HPの「棚卸資産の評価損」に関するリンクもご参照ください。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_02.htm

棚卸資産の評価損を計上する場合、
課税所得や納税額を減少させますので、税務調査で指摘されやすい事項の1つです。
損金算入を否認されないためのポイントは2つで、評価損が発生した理由と期末時点の時価の算定方法です。
これらの証拠となる資料(証憑資料)をしっかりと準備しておくことが大切です。

また、決算書の表示方法としては、売上原価に計上する方法、特別損失に計上する方法があり、
それぞれ一般的には以下のケースごとに整理することとなります。
 ●売上原価 ・・・通常の場合
 ●特別損失 ・・・特別な事象、かつ、金額影響が大きい場合
  (特別な事象例)
   ・地震、風水害、火事などによって商品が全損又は一部損失
   ・部門の統廃合など事業リストラよる商品の販売停止、処分

加えて、不良在庫を実際に廃棄処分をされた場合には、廃棄損が損金算入されますのでその点もご留意ください。

※こちらの回答はご記載頂いた情報のみから推測できる内容を前提として、一般的な回答を記載させて頂いておりますのでご留意ください。棚卸資産の評価損の計上は、税務判断が難しい点でもありますのでご注意いただければと思います。

  • 回答日:2023/01/07
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