インボイス制度について
現在、個人事業主として委託契約をしています。
その会社からインボイスに登録しない場合、現在の単価から消費税分の10%を引いた金額を支払う事になりますと言われました。
毎月送られてくる委託料明細書には消費税の欄はありません。
最初の3年間は経過措置があるのでインボイスには登録したくないと考えてます。
このような場合、会社に対して報酬の値下げを交渉してインボイスに登録しない方法は正しいでしょうか?
それとも、インボイスに登録するべきでしょうか?
何かと無知で申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願い致します。
はじめまして。
佐藤修一公認会計士事務所と申します。
ご質問にご回答いたします。
まず、委託明細書の消費税の項目がないとのことですが、質問者様が免税事業者であることから、元から委託料に消費税を含めずに契約された可能性があります。一度契約先との契約書をご確認ください。もし消費税が含まれていない場合に契約先が、免税事業者のままなら現在の額からさらに消費税分の引き下げを要求する・課税事業者に転換しても単価交渉に応じず現在の委託料のままの契約を要求するといった行為を行った場合、下請法に規定されている「買い叩き」にあたり違法となる可能性があります。
また、契約先が質問者様などの取引先に課税事業者となるよう要請すること自体に違法性はありませんが、取引価格の引き下げや取引の打切りを盾に課税事業者への転換の要請を一方的に通告することは独占禁止法に違反する可能性があります。他にも、要求に応じ課税事業者へと転換する際に、明示的な協議をせずに委託料を据え置いた場合も独占禁止法に違反する可能性があります。
上記より質問者様が契約先の主張を一方的に聞く必要はありません。もし交渉の場でこれらの行為をされた場合はきちんと違法性を説明し、より良い条件を引き出せるよう心がけましょう。
また、質問者様もご存じの通りインボイス制度が始まってから3年間は経過措置により、課税事業者が免税事業者から仕入れた場合仕入税額の8割を控除できます。そのため引き下げに応じて免税事業者に留まる場合でも、委託料の消費税10%分全額の引き下げは過大であることを主張してもよいのではないでしょうか。
以上のことを念頭に入れたうえで契約先と交渉しどちらを選ぶか考えましょう。契約先との関係もあるため一概にはどちらにすべきとはあまり言えません。私個人が質問者様と同じ立場だとして最終的に得られる額(課税事業者を選択した場合、委託料-消費税納付額)が同じであるならば、契約先との関係を大切にしたいならインボイスの登録を、あまり関係の悪化が気にならないなら消費税納税の手続きの手間を避けるため免税事業者の維持を選ぶと思います。
- 回答日:2023/06/29
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インボイスに登録しないことを理由に値下げ要求することは消費税転嫁対策特別措置法で禁じられていますが、現場では値下げ要求が行われている実態があると思慮されます。
取引先との関係性もあるかと思いますが、仮に10%を引いた金額で取引することを避けられない場合は、仕入税額控除を受けることができるので(=
仕入で支払った消費税の還付を受けることができる)、適格請求書発行事業者に登録する方が良かろうかと存じます。
(ご参考-公正取引委員会・消費税の転嫁拒否等の行為に関するよくある質問より)
Q19 消費税転嫁対策特別措置法に関して,免税事業者である納入業者との取引において留意することはありますか。
A 免税事業者であっても特定供給事業者に該当するため,特定事業者は免税事業者である納入業者に対しても消費税転嫁対策特別措置法で禁止する消費税の転嫁拒否等の行為を行ってはなりません。
特定事業者は,本体価格に消費税を上乗せして対価を定める必要がありますが,免税事業者であることを理由として,消費税を上乗せせず対価を定めたり,仕入れ等の諸経費に係る消費税負担分のみを上乗せして対価を定めたりすることは,合理的な理由がない限り,「買いたたき」(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)に該当し,違反となります。
- 回答日:2023/06/27
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ご回答ありがとうございます!
取引先とは長い付き合いなので、この内容を伝えてみます。
いずれインボイスに登録しようとは思っていますが、現段階でインボイスに登録するメリットが少ないと感じているのでインボイスに登録しない方向で進めてみます。投稿日:2023/06/28
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