見積書とは|発行する理由・作成ルール(テンプレート付き)

公開日:2019年09月03日
最終更新日:2024年02月08日

この記事のポイント

  • 見積書とは、仕事の注文を受けた時に発行する「証憑(しょうひょう」のこと。
  • 見積書は、仕事の注文を受けて正式に仕事を受ける前に発行する。
  • 取引条件の検討、発注するか否かの判断のための資料となる。

 

見積書とは、仕事の注文を受けた時に発行する文書です。
見積書は、請求書や領収書とともに、取引する際のお金と商品の動きを記録するものとなりますので、作成ルールにしたがって慎重に作成するようにしましょう。

 

見積書の豆知識

事業を始めると、業者や企業とさまざまな取引を行うことになります。そして、どのような取引をしたのかという記録を残す必要があり、これを取引書類といいます。
代表的なものとしては、見積書・納品書・請求書・領収書などがあります。
見積書は、仕事を受ける前に、取引条件を検討したり受注するか否かの判断をするために取引書類です。請負業や物販業などで価格交渉をする際にも用いられます。
見積書がない場合には、打ち合わせ内容を場所や日付とともにメモを残し、発送時の伝票を保管するなどの対策を行いましょう。
見積書などの取引書類は、取引においてお金と商品(サービス)の動きを記録するもので、万が一税務調査の対象となった場合には、これらの取引書類がないと不利になるリスクがありますので、適切に処理をするようにしましょう。

見積書とは

見積書とは、仕事の注文を受けて正式に仕事を受ける前に発行する証憑(しょうひょう)で、取引条件を検討したり、発注するか否か判断したりするための資料です。
依頼主から口頭やメールで依頼を受けて作成するケースがほとんどですが、「見積依頼書」といった書面を受けて見積書を作成することもあります。

士業や、ホームページ製作などのクリエイティブ業などの請負業や物販業で価格交渉をする場合には、この見積書をもとに行います。

商的なやり取りのなかで発行される見積書、注文書、納品書、請求書、領収書などを「証憑」といい、帳簿類と同じように保存が義務付けられています。

(1)商的な取引の流れを理解しよう

商的なやり取りは、一般的に「見積り→注文→納品→検収→請求書の発行→代金支払い→領収書の発行」の流れで進みます。
このような納品から代金受領までに時間が置かれる取引のことを「掛取引」といいます。
つまり、見積書は、商的な取引の中でもっとも最初に提示される証憑ということになります。

見積書の作成方法と基礎知識

見積書は特に決まったフォーマットがあるわけではありませんが、見積書の目的は、取引条件を検討したり、発注するか否か判断したりするためのものですから、項目、単価、数量、単位、小計などの最低限の項目は必要です。

(1)見積書の作成ルール

見積書を作成する際には、まず大まかな金額を算出し、相手に提示します。
その後、提案書や仕様書を作成して双方に誤った認識をしていないことを確認しながら、さらに見積書の内容を詰めていきます。
見積書を提示する際には、項目や数量、単価などを正確に記載していきます。

① まずは、この文書が見積書であることが分かるよう、「御見積書」とタイトルを記載します。

② 見積書を依頼してきた取引先を記載します。取引先が個人の場合は「様」会社の場合は「御中」とつけます。必要に応じて部署名や担当者名を記載する場合もあります。
場合によっては、親会社が子会社に見積もりを依頼する場合もあります。その場合には、見積もりの依頼主と見積もりの提出先の名称が異なる場合もあります。
提出先の名称については、先方に失礼がないよう事前に確認するようにしましょう。

③ 同一契約の書類の場合はほかの書類(見積書や納品書など)と同じ番号を振ります。
同一の顧客の複数の業務について、それぞれ見積書を提出する場合など、どの見積もりの依頼なのかを特定する場合にも役立ちます。

④ 記名の欄に印鑑を押します。担当者や上司の印鑑をあわせて押す場合もあります。

⑤ 見積書の有効期限を記載します。日付を明記するケースもありますが、「発注後1カ月以内」などのように表記するケースもあります。

⑥品名、色、サイズ、個数などをできるだけ詳しく記載します。サービスであれば、サービスの内容などを記載します。サービスの場合には数量や単位の記載が難しい場合もあり、その場合には省略したり「一式」と記載したりします。

⑦ 小計や消費税など、合計額の内訳を明記します。

⑧ 特筆すべき事項があれば、欄外に記載します。
たとえば、見積もりを作成する際に前提となった条件などです。そして前提が異なれば、見積金額に変更が生じるといった事情がある場合には、その点についても必ず記載するようにしましょう。

(2)見積書を作成するために重要な情報収集

見積書は必要な事項に正しく記載するのはもちろんですが、その前提として対象となる業務を正しく知る必要があります。作業内容はもちろん期間についてもしっかり検討してから作成するようにしましょう。

たとえば、納品場所が近隣なのか遠方なのかによって、見積もるべき送料が異なるなど、金額自体に影響が出る場合もあります。

また納期があまりに厳しければ、見積書を提出する以前に、その業務を請け負えないということもあるでしょう。

前提となる作業内容や条件について、双方の認識が異なると、後々トラブルに発展するケースもあるので、十分に情報収集をすることが必要です。

(3)知っておきたい!「相見積もり」の意味

「相見積もり(あいみつもり)」とは、複数の業者から見積もりをとることをいいます。「あいみつ」と略称で呼ばれることもあります。

依頼主側としては、相見積もりをとることで複数の業者の条件や価格を比較することができます。発注側に他社の見積書をもとに、価格の引き下げや有利な条件を引き出すために交渉をすることもあります。

(4)見積書の提示で会計・税務上の処理は必要?

見積書を提示する時点では業務は受託されていませんので、経理上の処理はとくに発生しません。しかし、発注された際には見積書の金額をもとにして相手と契約をすることになるため、きちんと保存してこの受託金額で採算がとれるのかなど検討し、条件や金額について社内決済を経て提出するようにしましょう。

また、新規の取引先については信用調査などの社内手続きが必要となることもあります。

(5)見積書以外の書類も知っておこう

商取引を行ううえでは、見積書以外にもさまざまな証憑が必要となります。

請求書
請求書は、取引先に対して代金の支払いを請求するために作成する証憑です。
請求書を作成する際には、取引先との信頼関係のためにも、正しい金額を記載することはもちろんその他にも注意すべき点が多々あります。

請求書の書き方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

▶ 請求書の書き方|請求書作成のテンプレートやマナーなど

領収書
領収書とは、商品やサービスなどの代金を受け取った人が発行する証憑です。
支払を振込で行う際には発行されないのが一般的ですが、現金取引の場合には、後で「支払った」「支払われていない」などのトラブルを防ぐという意味でも、大変重要です。

領収書の書き方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

▶ 領収書の書き方|記載内容・但し書の意味・印紙の有無

(6)見積書テンプレート

以下では、小売業の会社の見積書、ホームページ制作業務の会社を見積書のテンプレートをご紹介します。
それぞれのテンプレートは、ダウンロードできるようになっているので、自社の取引内容に合わせてカスタマイズしてください。

【小売業などの見積書】
※クリックすると、ダウンロード(Excel)できます。

【ホームページ制作会社などの見積書】
※クリックすると、ダウンロード(Excel)できます。

freee請求書を活用しよう

適格請求書を発行することに負担を感じる方には、無料で請求書・見積書を発行できるfreee請求書の利用がおすすめです。
ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。

フォーム入力で誰でも簡単に作成できる

freee請求書は見積書・発注書など、請求書以外にもさまざまな書類を簡単に作成することが可能です。
またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。
freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。

2023年10月開始!インボイス制度にも対応

2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えたと実感されている方も多いのではないでしょうか。
freee請求書では金額を入力するだけでインボイスの計算方法で自動計算し、適格請求書の項目も満たした請求書を作成・発行することが可能です。また、作成した請求書は電子保存されるため、インボイスの写しの保存義務化にも対応できます。

テンプレートは40種類以上!自分にあった請求書・見積書を作成できる

freee請求書には40種類以上のテンプレートが用意されています。その中から自分にあったテンプレートを選択して書類を作成できます。書類に記載する項目はテンプレートから変更を行うことも可能です。

請求書の作成を効率化したい方は、ぜひ無料でfreee請求書をお試しください。

まとめ

以上、見積書の意味や作成方法などについてご紹介しました。
見積書は、発行を義務付ける法的拘束力はないですが、正式に仕事を受ける前に発行する証憑の役割を果たします。

契約締結後に取引先の都合によって価格が変更された場合は、最終的に合意することになった見積書に記載された金額が対抗手段となり得ます。見積書を書面で残しておくことによってトラブルを抑止する効果を期待することができます。そのため見積書に記載すべき内容を知り、正確に作成するようにしましょう。

税理士に相談する

領収書や請求書を会計ソフト上で管理することで、税理士とデータを共有することができます。
freee税理士検索では数多くの事務所の中から会計ソフトに強い税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

 

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この記事の監修者:アトラス総合事務所

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アトラス総合事務所

会計・税務・労務・法務の専門家集団が、会社・個人事業をトータルでサポートいたします!

請求書が発行される前には、取引先との間でさまざまなやりとりがなされます。請求書を作成する前に「この金額で請求をしますよ」という点について、請求する側とされる側双方で、意思確認を行う必要があるからです。そして、そのやりとりの中で発行される文書が「見積書」です。見積書は取引の第一歩とも言える文書ですから、情報の収集や条件のすり合わせは、慎重に行いたいものです。
アトラス総合事務所は、税務から労務、法務に至るまで法人・個人事業経営を総合サポートしています。見積書、請求書といった文書の基礎知識や効率的な経理システムの構築はもちろん、インボイス制度の導入についても、ていねいにサポートいたします。
なお、「クラウド会計ソフト freee会計」を活用すると、オンライン上で請求書・見積書・納品書・発注書を簡単に作成することができ、そのデータを税理士とリアルタイムで共有することができます。見積書の作成時点では、まだ受託したわけではありませんから経理上の処理は発生しませんが、発注を受けた後は、さまざまな経理処理が必要となります。その場合にも、スムーズに税理士のサポートを受けることができます。
アトラス総合事務所では、「技術以前に人間として、プロフェッショナルとして常にお客様のために最善を尽くすということ」をモットーとし、まじめに一生懸命商売をされている方を全力で応援させていただいておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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